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洋髪か、文金高島田か。 盛岡ブライダル|白無垢・色打掛の和装ヘア完全ガイド

written byブライダル ヘアメイク 漆原清香



盛岡・岩手で白無垢や色打掛をお召しになる花嫁さまへ。盛岡でブライダルヘアメイクを担当している現役美容師の視点から、迷いやすいポイントをすべてお答えします。すべての写真は、私たちが実際に担当した盛岡での施術例です。







1. 盛岡で和装を選ぶ花嫁が、増え続けている理由

「和装、どうしようか迷っています」

盛岡でのブライダルカウンセリングで、最も多いご相談のひとつです。そして近年、迷った末に和装を選ばれる方が確実に増えています。

盛岡という土地柄。 盛岡八幡宮、桜山神社。市内には歴史ある神社仏閣が点在し、神前式・仏前式を選ぶ方が今も少なくありません。少し足を伸ばせば平泉・中尊寺もあります。和装が「浮かない」街なのです。

ご家族の存在。 「おばあちゃんが白無垢姿を見たいと言っていて」——このお話は本当によく伺います。特に岩手では、ご家族やご親族との結びつきを大切にされる方が多い。和装は、お二人だけのものではなく、ご家族への贈り物でもあります。

「一生に一度」の重み。 洋装のドレスは、この先も袖を通す可能性がゼロではありません。しかし白無垢は違います。人生で一度きりです。

そして写真。 挙式は洋装、前撮りで和装——という組み合わせが、盛岡でもすっかり定番になりました。

ただ、和装を選んだ瞬間に、新しい迷いが始まります。「洋髪にすべきか、文金高島田にすべきか」。これが、和装花嫁にとって最初の、そして最大の分岐点です。



2. まず整理|白無垢・色打掛・引き振袖はどう違うのか
ヘアメイクの話に入る前に、衣裳の基本を押さえておきましょう。
衣裳の「格」を理解しておくと、髪型選びの判断が驚くほどラクになります。

◆ 白無垢(しろむく)

和装の中で最も格式が高い、婚礼の第一礼装です。打掛から掛下、小物、草履に至るまですべてを白で統一します。「嫁ぎ先の色に染まる」という意味があるとされ、また白は太陽の光の色として、古来より神聖な色とされてきました。



・伝統的には挙式で着るもの。現在は披露宴でお召しになる方もいらっしゃいます

綿帽子を着けられるのは、白無垢だけです。ただしこれは「衣裳」の条件であり、髪型はほぼ自由に選べます(第4章で詳しく)

ヘアメイクの観点から言うと、白無垢は最も難しい衣裳です。 全身が白いため、顔色がそのまま浮き立ちます。肌のくすみも、逆に白すぎるメイクも、白無垢の前では容赦なく目立ちます。

 

◆ 色打掛(いろうちかけ)

白無垢と同格とされる豪華な打掛です。赤、金、黒、緑、紫——地色も柄も多彩で、鶴、松竹梅、御所車、四季の花々といった吉祥文様が織り込まれます。




・もともとは披露宴で着るものでしたが、現在は挙式で着る方も増えています

角隠しは着けられますが、綿帽子は着けられません(角隠しは、髪型が日本髪であることが条件です)

色打掛は「衣裳が主張する」衣裳です。 柄も色も強いため、髪飾りやメイクで足しすぎると画面が飽和します。ここは引き算の技術が問われます。

 

引き振袖・黒引き振袖

大振袖の裾を引いて着るスタイル。江戸時代の武家の婚礼衣裳が原型とされます。打掛を羽織らないため帯の結びが見えるのが最大の特徴で、特に黒引き振袖はモダンで凛とした印象になり、近年人気が高まっています。後ろ姿のシルエットが打掛とまったく違うため、後頭部の作り方も変える必要があります

 

新和装・モダン和装

洋髪を前提とした、現代的にアレンジされた和装です。レースを合わせたり色目を洋風にしたりと自由度が高く、「和装は着たいけれど、古典的すぎるのは苦手」という方に選ばれています。



3.【本題】洋髪・文金高島田・新日本髪 徹底比較

盛岡で和装のヘアメイクをご依頼いただくとき、最初に決めていただくのがここです。選択肢は大きく3つあります。




◆ 文金高島田(かつら)を選ぶという選択

日本の婚礼における、最も正統な花嫁の姿です。前髪、鬢(びん・両サイド)、髱(たぼ・後ろの張り出し)、髷(まげ)。この4つのパーツで構成された、江戸時代から続く格式ある髪型です。




◆ メリット
・綿帽子も角隠しも、条件なしで着けられます。髪型側での準備がいりません
・ご両親、祖父母世代からの評価が圧倒的に高い
・かぶせるため、支度時間そのものは短い

◆ デメリット・注意点
・事前のかつら合わせが必須です。頭のサイズを測り、実際に合わせる工程が入ります
・頭部にボリュームが出るため、写真での小顔効果は期待しにくい
・重量があり、長時間になると首や肩に負担を感じる方がいらっしゃいます
・生え際の処理が仕上がりを左右します。羽二重で地毛を包み、かつらとの境目を自然に見せる技術が必要です

こんな方におすすめ:角隠しを着けたい方/ご家族の希望を大切にしたい方/神前式・仏前式で格式を重んじたい方


◆ 新日本髪という選択

地毛で日本髪を結い上げる方法です。かつらより自然で、地毛だからこその馴染みがあります。生え際が本物なので、写真で「かつら感」が出ません。綿帽子・角隠しの両方が着けられ、かつらより軽いのも利点です。





◆ デメリット・注意点

・髪の長さと量に条件があります。目安として肩下〜セミロング以上の長さと、ある程度の毛量が必要です

・結い上げるため、支度に時間がかかります

・一度結うと結い直しが難しいため、お色直しでの大きな変更には向きません

・整髪料をしっかり使うため、撮影後のシャンプーが大変です

新日本髪をご希望の場合は、必ず早い段階でご相談ください。 髪の長さが足りない場合、伸ばす期間が必要になるためです。



◆ 洋髪を選ぶという選択

現在、盛岡でも最も選ばれているのが洋髪です。






◆ メリット

・圧倒的な自由度。低めのシニヨン、編み込み、ゆるふわ、タイトなまとめ髪——衣裳と顔立ちに合わせて無限に設計できます

・綿帽子は、土台をつくれば着けられます。「洋髪だから綿帽子は無理」ではありません(第4章で詳しく)

・小顔効果が高い。後れ毛やトップの高さで、輪郭の印象をコントロールできます

・生花・水引・かんざし・ドライフラワー——髪飾りの選択肢が非常に広い

・軽く、長時間でも負担が少なく、お色直しでの変化もつけやすい

◆ デメリット・注意点

・角隠しは着けられません。これは技術ではなく構造上の制約です(第4章で詳しく)

・ご家族、特に年配のご親族から「和装なのに洋髪?」という反応をいただくことがあります

・自由度が高いぶん、技術者の設計力に仕上がりが大きく左右されます

◆ 迷ったときの判断フロー

Q1. 角隠しを着けたいですか? → YESなら、文金高島田または新日本髪の一択です。洋髪に角隠しは着けられませんので、ここで決まります。なお綿帽子はこの分岐にはなりません。洋髪でも土台をつくれば着けられるためです。

Q2. 白無垢と色打掛、両方着る予定ですか? → YESで、かつ「2つで違う雰囲気を出したい」なら、洋髪が有利です。

Q3. ご家族に、強い希望はありますか? → ある場合、それは軽視すべきではありません。特にご両親が費用を負担されている場合、率直に話し合っておくことをおすすめします。

Q4. 写真で最も残したいのは「格式」ですか、「自分らしさ」ですか? → ここが最終的な判断軸になります。

そして——折衷案があることも、ぜひ知っておいてください。 挙式は文金高島田、前撮りは洋髪。あるいは白無垢は文金高島田、色打掛は洋髪。この組み合わせなら、両方の良さを手に入れられます。

 

 

4. 綿帽子と角隠し|着けられる髪型・着けられない髪型

ここは誤解が非常に多い部分なので、独立した章として詳しくお話しします。

綿帽子は、髪型を選びません。 文金高島田でも、新日本髪でも、洋髪でも着けられます。ただし洋髪の場合だけ、土台をつくることが条件になります。

角隠しは、髪型を選びます。 文金高島田と新日本髪——つまり日本髪にしか着けられません。洋髪に角隠しは、着けられません。

逆に覚えていらっしゃる方が多いのですが、髪型の自由度が高いのは綿帽子のほうです。
「洋髪だから綿帽子は諦めました」——このご相談を、盛岡でも本当によく伺います。そんなことはありません



なおこの表は「髪型」の条件です。衣裳については、綿帽子は白無垢のみ、角隠しは白無垢・色打掛のどちらにも合わせられます。この2つは別の条件なので、混ぜて考えないことが大切です。

◆ 綿帽子(わたぼうし)

白い袋状の被り物で、花嫁の顔を挙式まで隠すという意味を持つとされています。


◆ 衣裳の条件|白無垢にしか着けられません

色打掛に綿帽子は合わせません。「白無垢に合わせるもの」として様式が定まっているためです。ここは、髪型が何であっても変わりません。

◆ 髪型の条件|基本的に、どの髪型でも着けられます

文金高島田、新日本髪、洋髪——どれを選んでも綿帽子は着けられます。ただし洋髪にだけ、ひとつ条件があります。

◆ 洋髪の条件|土台が必須です

綿帽子は、それ自体では形を保てません。かたちを支える芯が必要です。日本髪(文金高島田・新日本髪)の場合は、髷(まげ)そのものがその芯になっています。だから、日本髪には条件がいらないのです。

洋髪の場合は、まとめ髪でその役割を果たす土台をつくります。ここを省略すると——

・綿帽子の輪郭が崩れ、前に落ちてくる

・後頭部が潰れて、横から見たシルエットが決まらない

・固定が甘くなり、動いた拍子にずれる






裏を返せば、土台さえ正しくつくれば、洋髪でも綿帽子は美しく安定します。

◆ 土台に必要な3つの条件

・位置——後頭部の、高すぎず低すぎない一点にまとめること。ここがずれると、綿帽子の中心が合いません

・高さ——トップに高さを出しすぎると綿帽子が前に落ち、低すぎると後頭部が潰れます

・固さ——ピンでしっかり組み、動かない状態にすること。ゆるくまとめただけの髪では、綿帽子を支えきれません

つまり、綿帽子を着ける前提の洋髪と、着けない前提の洋髪は、設計そのものが違います。「ゆるふわで、後れ毛たっぷりで、でも綿帽子も」——これは両立しません。

綿帽子をご希望の場合は、髪型のデザインを決める前にお伝えください。 後から「やっぱり綿帽子も」となると、まとめ髪を一から作り直すことになります。







そして、写真の観点からもうひとつ。綿帽子は、顔をかなり隠します。挙式では美しい所作として映えますが、前撮りで綿帽子だけの写真しか残らないと、後から「顔が見える写真が少ない」と感じる方がいらっしゃいます。 私たちは、綿帽子を着けたカットと、外したカットの両方を撮影されることを、いつもおすすめしています。

◆ 角隠し(つのかくし)

白い帯状の布を、日本髪の前から後ろへ巻くように着けるものです。




◆ 髪型の条件|文金高島田と新日本髪のみです

洋髪に角隠しは、着けられません。 これは「難しい」「崩れやすい」という程度の話ではなく、構造上の問題です。

角隠しは、日本髪の髷に掛け、鬢(びん)と髱(たぼ)で挟むようにして固定するものです。掛ける髷がなければ、形も固定も成立しません。補正やピンワークで代用できる範囲を超えています。

ですから——角隠しを着けたいなら、髪型は文金高島田か新日本髪の二択になります。ここが、和装ヘアで最も大きな分岐点です。

◆ 衣裳の条件|白無垢にも色打掛にも着けられます

・白無垢にも色打掛にも着けられます。衣裳については、綿帽子より自由です

・顔が見えるため、写真で表情がきちんと残ります

・お色直しで白無垢から色打掛に替えても、そのまま着け続けられます

整理すると、2つは自由度の方向が逆です。 綿帽子は、衣裳を選び、髪型を選ばない。角隠しは、衣裳を選ばず、髪型を選ぶ。迷ったときは、「角隠しを着けたいか」から考えてください。

 

5. 顔型・骨格別|和装ヘアの似合わせ方

和装のヘアは、洋装以上に輪郭が出ます。顔まわりを隠す髪が少なく、衣紋を抜いて首が長く見える状態になるためです。だからこそ、骨格に合わせた設計が効きます。

丸顔の方|横幅が出やすいため、トップに高さを出して縦のラインを作る。洋髪ならサイドはタイトに。後れ毛は頬骨より下から、細く縦に落とします。

面長の方|トップの高さは抑えるのが最重要。サイドに少し丸みを出し、前髪を作るか流して縦の長さを分断します。髪飾りは横に広がるタイプが有効です。

エラが張っている方|耳より少し前に、細い後れ毛を落として輪郭の角を柔らかく分断。ハチの張りを抑える設計にします。

ハチ張り・絶壁の方|これは和装で最も影響が出る骨格です。ハチ張りはトップに高さを出してハチの位置を締める。絶壁の方は、後頭部にボリュームを作ることが必須です。ここが潰れていると、和装の後ろ姿が驚くほど貧相に見えます。必ずリハーサルで横顔と後ろ姿を確認してください。 正面から見ただけでは絶対にわかりません。

首が短い・肩が張っている方|和装は衣紋を抜いて着るため、首の見え方が仕上がりを大きく左右します。うなじの髪を上げ、まとめる位置をやや高めにすると首が長く見えます。

頭が大きい・小さい方|頭が大きめの方は、洋髪でタイトにまとめるほうがバランスが取れることが多いです。逆に頭が小さい方は、文金高島田が非常に映えます。



6. ショート・ボブでも和装はできます

「髪が短いので、和装は諦めています」
——このご相談を受けるたびに、もったいないと思います。ショートでもボブでも、和装は可能です。




◆ ショートヘアの場合

◆ 選択肢①|ウィッグを使う

部分ウィッグ、あるいはフルウィッグでまとめ髪を作ります。地毛との境目の処理さえきちんとすれば、写真でわかることはまずありません。

◆ 選択肢②|文金高島田(かつら)にする

実は、ショートヘアの方こそ、かつらが最も向いています。地毛の長さが不要で、かつ羽二重で地毛を包むため、仕上がりが非常にきれいに決まります。

◆ 選択肢③|ショートのまま、和装に合わせて仕上げる

近年増えているスタイルです。ショートの潔さと和装の組み合わせは、非常にモダンで印象的です。襟足を刈り上げすぎていなければ、うなじのラインは十分美しく作れます。サイドをタイトに、トップに動きを出し、大ぶりの髪飾りを一点だけ効かせる。黒引き振袖やモダン和装との相性は特に良好です。ただし綿帽子を着けたい場合は、ウィッグかかつらで土台をつくります。ショートのままでは、綿帽子を支える土台が作れないためです。

◆ ボブ・ミディアム・ロングの場合

ボブは、実は最も和装アレンジの幅が広い長さです。低い位置でのまとめ髪はピンワークで十分作れますし、毛先を折り込んでシニヨン風に見せることもできます。少し足りない場合は、部分的な付け毛で自然に補えます。ミディアム・ロングは選択肢が最も広く、新日本髪も視野に入ります。

◆ くせ毛・軟毛・多毛・白髪の方へ

くせ毛は、和装のまとめ髪ではむしろ有利に働くことがあります。ニュアンスのある動きが自然に出るためです。

軟毛・毛量が少ない方は最も対策が必要です。当日のセットだけでボリュームを作るには限界があります。数ヶ月前から、髪にハリとコシを出すケアを始めてください。

白髪は、和装、特に白無垢では髪の色ムラが写真ではっきり写ります。生え際の白髪は、挙式・撮影の1〜2週間前にリタッチしておくのが理想です。


7. 和装写真の主役は「うなじ」です


和装の写真で最も見られる場所は、顔ではなくうなじです。





和装は衣紋(えもん)を抜いて着ます。襟を後ろに引き、首とうなじを見せる着方です。そして撮影では、打掛の柄を見せる後ろ姿、神社の石段を登る後ろ姿、振り返りざまのうなじと横顔——後ろからのカットが必ず入ります。

つまり、うなじは「必ず写る」場所です。 そして、ここが美しいかどうかで和装写真の格が決まります。

◆ ① 産毛の処理

うなじの産毛は、写真の光を受けると想像以上にはっきり写ります。特にフラッシュ撮影や逆光では、輪郭がぼやけた印象になります。

ブライダルシェービングで、えり足を整えておいてください。HANAYAでは以下のメニューをご用意しています。

・ブライダル背中シェービング+えり足シェービング(30分)¥4,400

・ブライダルフェイシャルシェービング(60分)¥7,480——クレンジング・フェイシャル・高保湿パック・えり足

・ブライダル全身シェービング(90分)¥15,000——上記+背中・デコルテ・両腕

有資格者がお肌の状態を見極め、本格レザーと電動シェーバーを使い分けて施術いたしますので、初めての方もご安心ください。タイミングは、挙式・撮影の3〜5日前が目安です。

◆ ② 襟足の形

うなじの形は人それぞれです。きれいなM字を描く方もいれば、産毛が下まで生えている方もいます。シェービングは、単に毛を剃るだけではありません。 うなじの形そのものを整える工程でもあります。

◆ ③ おくれ毛の設計



ここが技術の見せどころです。多すぎると、だらしなく見えます。一本もないと、硬く冷たい印象になります。 具体的には、細く、長く、そして流れの方向を揃えるのが基本です。短い後れ毛は跳ねてしまい、写真では「毛が乱れている」ようにしか見えません。

◆ 背中とデコルテも忘れずに

打掛は背中を覆いますが、衣紋を抜いた部分の背中上部は見えます。白無垢では首元からデコルテにかけての肌も写ります。

・ブライダルフェイシャルボディ(120分)¥22,000——顔・デコルテ・背中・二の腕をケア

・オプションで背中パック ¥3,300

ご自身では絶対に手が届かない場所です。だからこそ、プロにお任せください。


8. 和装メイクの正解は「白く塗る」ではありません

「和装のメイクって、白く塗るんですよね?」——よくいただく質問です。答えは、いいえ、です。


確かに伝統的な婚礼メイクは白粉で顔を白く仕上げるものでした。しかし写真に残すことを前提にした現代の和装メイクでは、白く塗るアプローチは推奨できません。顔だけが浮き、立体感が失われ、カメラのフラッシュでさらに白く飛ぶからです。

現代の和装メイクで目指すべきは、「白い」ではなく——「透明感がある」。この状態です。

◆ 透明感を作る3つの工程

① 肌のトーンを整える|くすみを取り、色ムラをなくす。色を足す作業ではなく、均一にする作業です。

② 首・デコルテとの色差をゼロにする|和装は首とデコルテが見えます。顔だけ明るいメイクは、洋装以上に目立ちます。

③ ツヤを、部分的に残す|完全なマットは写真で肌が死にます。頬の高い位置、鼻筋、目の下——光が当たる場所にだけツヤを残すことで、内側から発光しているような肌になります。

◆ 洋装メイクを「和顔」に変える3つのポイント

① 眉——アーチを抑えて平行に近づけ、やや太めに、色は髪色に近い落ち着いたトーンに。眉ひとつで、顔の印象は劇的に和に寄ります。

② アイメイク——アイラインは目尻を跳ね上げない。横に、あるいはわずかに下げ気味に流す。締め色は赤みのあるブラウンや深いボルドー系が和装に馴染みます。ラメの粒子が大きいアイシャドウは避ける。

③ リップ——洋装と逆で、輪郭を明確に取るのが基本です。リップライナーできちんと縁取り、小さめに丸みを持たせて描くと、より和の印象が強まります。

◆ 白無垢と色打掛で、メイクを変えるべきか

変えるべきです。 白無垢で色数を抑えすぎると、顔まで白に溶けて存在感がなくなります。リップははっきりとした赤が最も映えます。白無垢に赤い唇——これは日本の美意識の完成形です。色打掛は衣裳そのものが主張するため、リップの色は打掛の柄から1色引いてくるのが最も上品にまとまります。

 

9. 髪飾りの選び方|情報量の引き算

洋髪を選ばれた場合、髪飾りは仕上がりを決定づける要素になります。

生花|最も華やかで写真映えします。白無垢には白い花、色打掛には打掛の色を拾った花が定番です。ただし季節と入手性の制約があり、夏場は日持ちに注意が必要です。発注時期を必ず確認してください。

水引(みずひき)|近年、非常に人気があります。和の意匠でありながら現代的で、しおれません。ただし色を盛りすぎると一気に安っぽくなります。2色以内に抑えるのが鉄則です。

べっ甲・かんざし|最も正統派。文金高島田はもちろん、洋髪に一本挿すだけでも和が立ちます。挿す位置と角度で印象が大きく変わるため、リハーサルで必ず現物を確認してください。

ドライフラワー・プリザーブド|写真では色が沈むことがあります。特にくすみカラーは、屋外の緑を背景にすると存在感が消えます。


◆ 失敗しないための「引き算」の法則

これが、この章で最もお伝えしたいことです。

打掛の柄が細かい場合 → 髪飾りは大ぶりで単純なものを。

打掛が無地に近い場合 → 髪飾りで情報量を足す。

写真は、画面全体の情報量の総和で見え方が決まります。柄の細かい色打掛に小花をたくさん散らした髪飾りを合わせると、写真では「ごちゃごちゃした画面」にしかなりません。

もうひとつの法則。色は、衣裳から拾う。新しい色を持ち込まない。 打掛に使われている色の中から髪飾りの色を選ぶ。これだけで、まとまりは劇的に良くなります。

なお白無垢には、伝統に忠実なら白い花かべっ甲のかんざし。近年は赤い髪飾りを合わせるスタイルも人気ですが、神社での挙式の場合は事前に確認されることをおすすめします。



10. 盛岡の和装ロケーション|神社仏閣・庭園を活かす

盛岡は、和装が驚くほど似合う街です。盛岡でブライダル撮影を重ねてきたヘアメイクの観点から、主要なロケーションのポイントをお伝えします。

◆ 盛岡八幡宮

朱塗りの社殿が印象的な、盛岡を代表する神社です。ヘアメイクの注意点は、背景の朱色が非常に強いこと。

・リップに強い赤を使うと、背景の朱と競合します。少しトーンを落とすか、コーラル寄りに振ると顔が主役になります

・白無垢の場合は逆に好機です。朱の背景に白が際立ち、強いコントラストが生まれます

・石段の上り下りが多いため、見上げ・見下ろしの両アングルを想定した作り込みが必要です。特に頭頂部は必ず整えておいてください

◆ 桜山神社

落ち着いた佇まいの寺社。木々と石畳、静謐な空気が和装を引き立てます。背景が落ち着いた色調のため、白無垢・色打掛どちらでもバランスが取りやすいロケーションです。ただし木立の下は光が斑(まだら)になることがあり、顔に木漏れ日の影が落ちるとメイクの陰影が二重になります。この場合、メイクでの陰影は控えめに。

◆ 南昌荘

明治期の和建築と日本庭園。和装を撮るなら、盛岡で最も贅沢なロケーションのひとつです。

・障子越しの光は非常に柔らかく、影が出にくい。強いシェーディングは不要で、むしろツヤを残すほうが光を受けて美しく写ります

・縁側に座った後ろ姿が定番構図です。うなじと襟足を必ず作り込んでおいてください

・畳と障子の直線的な背景に対し、ヘアは曲線で対比を作る——低い位置のまとめ髪に、後れ毛を一筋。これだけで印象が変わります

◆ 中津川・岩手公園(盛岡城跡公園)

石垣、樹木、川。市街地でありながら自然を感じられるエリアです。風対策が最優先で、川風が抜けるため和装では衣紋が乱れるリスクもあります。ヘアは「留める」より「編み込む・組み込む」設計に。後れ毛は少なめに、しかし長めに。

◆ 平泉・中尊寺方面

盛岡から車で約1時間。世界遺産での撮影を希望される方もいらっしゃいます。移動時間だけで往復2時間以上、支度から数えると拘束時間が8時間を超えることも。崩れにくさを最優先に設計します。作りたてが完璧で崩れていくのではなく、少しほぐれてこそ完成するスタイルにしておくのがコツです。



11. お色直し|白無垢から色打掛へのヘアチェンジ

「白無垢と色打掛、両方着ます」——この場合、ヘアをどう変えるかが重要になります。

結論:変えたほうが、写真は圧倒的に良くなります。 後からアルバムを見返したとき、衣裳だけが違って髪型が同じだと、変化が乏しく感じられるからです。

・パターン①|髪飾りだけを変える……白無垢には白い花、色打掛には打掛の色を拾った飾りへ。5〜10分程度

・パターン②|まとめる位置と質感を変える……白無垢では低くタイトに、色打掛では少し高めにボリュームを。15〜20分程度

・パターン③|まったく違うスタイルにする……アップからハーフダウンへ。30分以上かかることも

・パターン④|かつら → 洋髪……最も変化が大きく、写真の印象が劇的に変わります。ただし相応の時間が必要です

◆ 時間配分の現実

ここが最も重要です。お色直しの時間は、衣裳の着替えだけで20〜30分かかります。 打掛の着付けは、洋装のドレスとは比較にならないほど工程が多いためです。

つまり、ヘアチェンジに使える時間は、その残りで決まります。必ず事前に進行表を確認してください。 お色直しの総時間は何分か、そのうち着付けに何分かかるか、残りでどこまで変えられるか。この計算をせずに当日お願いすると、時間が足りず、結局髪飾りを変えるだけという結果になりがちです。



12. 和装の一日|当日のタイムスケジュール

和装は、洋装より時間がかかります。 これは覚悟しておいてください。

◆ 前撮り(白無垢1着・スタジオ+ロケーション)の例



白無垢+色打掛の2着なら7〜8時間。 移動を含めると8時間を超えることも珍しくありません。

① 朝食は必ず召し上がってください。 着付けは体を締めます。そこに緊張と長時間の拘束が加わるため、空腹は確実に表情に出ます。

② 和装は思っている以上に暑いです。 冬でも屋内では汗をかきます。水分はストローで。うなじと首まわりの汗は和装の大敵です。

③ トイレのタイミングを先に決めておく。 着付けの直前に済ませ、その後は撮影の切れ目で計画的に。遠慮せず、スタッフにお声がけください。


13. 半年前から始める、和装のための準備

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。和装の仕上がりは、当日ではなく、何ヶ月も前から決まっています。

◆ 6ヶ月前|方針を決める

・文金高島田か、洋髪か、新日本髪かを決める

・新日本髪を希望する場合、この時点で髪の長さを確認。足りなければ、ここから伸ばし始めます

・髪色の方針を決める。和装では明るすぎる髪色が浮くことがあります。特に文金高島田では、かつらとの色差が問題になります

・髪質改善を始める。1回では変わりません

◆ 3ヶ月前|整え始める

・ブライダルエステを開始。肌のターンオーバーには時間がかかります(フェイシャル90分 ¥13,200/フェイシャルボディ120分 ¥22,000)

・眉を整え始める。眉は伸びるのに時間がかかります。「前日に整えよう」では間に合いません

・かつら合わせ(文金高島田の場合)とリハーサルの日程を決める

◆ 1ヶ月前|色を入れる

・カラーの本番はここです。染めたては色が浮きますし、イメージと違ったときに修正する時間が必要だからです

・白髪が気になる方は、本番1〜2週間前に根元をリタッチする計画を

◆ 2週間前|最終カット

・カットは2週間前。切りたては馴染みません

・まつげエクステ(両目80本 ¥7,040/100本 ¥8,800/120本 ¥10,560、まつげカール ¥6,600)。和装の場合、日常より少し多めをおすすめします

3〜5日前|シェービング|えり足・背中・デコルテ。直前すぎると肌が敏感な状態で本番を迎えます。

1週間前〜前日|ブライダル定額ネイル ¥9,900〜。指輪交換や手を重ねたカットで、指先は必ず写ります。前日は新しいシャンプーを試さない。夜更かししない。 むくみは写真にはっきり写ります。

◆ この逆算ができるのが、美容室に依頼する最大の理由です

当日だけを担当する出張ヘアメイクでは、この工程は絶対にできません。日常的に髪を切り、染め、ケアしている美容師だからこそ、半年かけて髪を仕上げていける。 「この髪質なら3ヶ月でここまで変えられる」「このダメージならこのカラーは避けたほうがいい」——こうした判断は、サロンワークの積み重ねからしか生まれません。



14. ご家族の和装も。留袖・振袖・お子さまのヘアセット

和装の婚礼では、ご家族も和装をお召しになることが多い——これは盛岡・岩手ではとりわけ顕著です。

お母さまの留袖ヘア|黒留袖は既婚女性の第一礼装です。上品にまとめ、後れ毛を出しすぎないのが基本。トップがぺたんこだと、留袖の重厚さに顔が負けます。白髪が気になる方は事前のカラーを。留袖は黒地なので、髪の色ムラが目立ちます。当日の朝は非常に早い時間になることがありますので、事前にご相談ください。

妹さま・ご親族の振袖|花嫁さまより華やかにならないよう控えめに。とはいえ地味すぎても写真で沈みます。このバランスは技術者の判断領域です。

お子さまのヘアセット|お子さまは、じっとしていられません。短時間で仕上げる技術と、崩れにくいシンプルで強度のある設計が必要です。

HANAYAは盛岡市内に複数店舗を持つグループです。花嫁さまだけでなく、ご家族分のヘアセット・着付けについても、まとめてご相談いただけます。 当日の朝、複数の場所を回る必要がありません。



15. HANAYA Bridalが盛岡の和装に強い理由

◆ 全員が美容師免許を持ち、サロンで実務経験を積んでいます

これは、ブライダル業界では実は当たり前ではありません。HANAYA Bridalのメンバーは、全員が美容師免許を取得し、美容室での実務経験を持っています。

和装のヘアメイクにおいて、これがなぜ重要か。和装は、地毛の状態がそのまま出るからです。洋装であればウィッグやエクステで補える部分も、和装ではうなじ、生え際、髪の艶——素の髪が写真に写ります。かつらを使う場合ですら、生え際の処理には髪と地肌の知識が必要です。日常的に髪を扱い、髪質を診断し、ダメージを判断できる技術者でなければ、この領域は踏み込めません。

◆ 髪・肌・爪・うなじ——すべてを一つのグループで整えられます

HANAYAは盛岡市内にブルーテーフ(本宮)、デフィ菜園店、NORM(開運橋通)、デフィ都南店、デフィ青山店、AURA(菜園)、そしてユーミー(矢巾町)を展開しています。

ヘアメイクも、カラーも、髪質改善も、ブライダルエステも、シェービングも、ネイルも、まつげエクステも、新郎さまのヒゲ脱毛も——すべて同じグループの中で完結します。専任のブライダルコンシェルジュが窓口となり、すべてのスケジュールを一括で管理いたします。

◆ 専任のブライダルスタッフが、最後まで担当します

沢口友理子、漆原清香、伴野晴美、伊勢光佳里、主濱未歩子——ブライダル専任のヘアメイクスタッフが在籍しています。そして、ブライダルコンシェルジュの村上裕美が、ご相談の窓口としてお二人をサポートいたします。初回のご相談から、リハーサル、そして当日まで。同じ人間が、最後まで責任を持って担当いたします。



和装は「様式」の世界です。だからこそ、型どおりに当てはめれば、それらしくは仕上がります。でも私たちがしたいのは、そこではありません。お顔立ち、骨格、髪質、衣裳の柄、撮影場所、ご家族の思い、そして何よりお二人らしさ——そのすべてから逆算して、一組ずつ設計する。それが、私たちの仕事だと思っています。


16. よくあるご質問(FAQ)


まとめ|一生に一度の和装を、後悔なく

◆ ① 最初の分岐は「角隠しを着けたいかどうか」

角隠しは日本髪(文金高島田・新日本髪)でなければ着けられません。ここで、かつらか洋髪かがほぼ決まります。なお綿帽子は、洋髪でも土台をつくれば着けられるため、分岐にはなりません。

◆ ② 和装写真の主役は「うなじ」

顔ではありません。うなじと襟足が、和装写真の格を決めます。

◆ ③ 和装メイクの正解は「白く塗る」ではなく「透明感」

眉・目・唇の3点を変えるだけで、顔は和に寄ります。

◆ ④ 髪飾りは、引き算で考える

柄が細かい打掛には、単純で大ぶりな飾りを。色は衣裳から拾う。

◆ ⑤ 仕上がりは、当日ではなく半年前から決まっている

髪も、肌も、うなじも、素材そのものが写真に写ります。

盛岡には、和装が驚くほど似合う場所があります。盛岡八幡宮の朱色も、南昌荘の障子の光も、報恩寺の静けさも。そして何より、この土地でご家族に見守られながら和装をまとうことそのものに、意味があります。

一生に一度の白無垢を、「なんとなく」で決めてしまうのは、あまりにもったいない。私たちHANAYA Bridalは、その何ヶ月も前から、お二人と一緒に準備を始められる、盛岡のブライダルチームです。まずは、お気軽にご相談ください。

 

ご相談・お問い合わせ

◆ HANAYA Bridal(株式会社花耶)

メール:hanayabridal@hanayadefi.com /  電話:019-631-1364(担当:村上) /  お問い合わせ時間:10:00〜18:00

ブライダルページ → https://hanayadefi.com/bridal/

Instagram → @hanaya.bridal(和装のスタイルを随時更新しています)

◆ 各メニューのお問い合わせ先

・ブライダルエステ|デフィ都南 0120-087884

・ブライダルシェービング|ブルーテーフ 0120-878098

・ブライダルネイル・まつげ|ラボンド 0120-659788

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ブライダル ヘアメイク 漆原清香

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